中庭のある暮らし
 
 敷地は岐阜市の中心部より北寄りに位置し、市内を囲むように造られた環状道路に近い住宅街にあります。敷地の南側には天神川が流れ、隣接地は畑や公園などに囲まれていて、周囲に余白のある立地条件でした。敷地の特徴は、南北に長い形状で、北と南でそれぞれ道路と接しています。


 ご家族の要望は、25年ほど前に建てられた木造住宅を取り壊し、将来2世帯住宅としても暮らせるような住宅への建替えでした。そして、もし介護が必要になった場合には、家族が助け合いながら対応できるように、あらかじめ配慮した住宅にしておきたいとのことでした。


 そこで、周囲の環境や敷地の特色そして家族の要望を考え合わせ、中庭を中心とした町家形式の配置とすることにしました。まず南側に平屋建ての親世帯のスペースを配置し、中庭を挟んで北側1階に家族が集う茶の間や食堂を設けました。また、共有スペースとしてキッチンや浴室などの水まわりを集め、段差の無い回遊できる間取りとしました。2階には将来、子世帯が暮らせるようにそれぞれの寝室と水まわりを設けました。


 そして、2方向の道路に接していることを活かし、待合をかねた来客用の玄関と駐車場から直接中に入ることが出来る家族用の玄関にわけました。
家の中心となる中庭は6メートル四方の大きさがあり、採光と風通しを確保しながら1階のそれぞれの部屋を緩やかにつなぐ役割を果たしています。


 茶の間に座って中庭を見上げると瓦屋根と空だけが見え、外の音はほとんど聞こえません。中庭に植えた紅葉がときおり風に揺れ、静かな、そしてゆったりとした時間がこの住宅を流れてゆきます。

 

 

所 在 地  岐阜県岐阜市

構造・規模  木造2階建

延 べ  面 積  357.29㎡

竣   工  2007年

施   工  株式会社 相宮工務店